風の交響楽



この本に出会ったのは、私が中学の頃です。キリスト教の学校だったので、たまに下でキリスト教関係のものが売られていることがありました。そのときに見つけた本です。ペガサスと風に揺れている木の幻想的な表紙に惹かれ、また、藤城清治氏の影絵もあったことから迷わず買ってしまいました。

春夏秋冬と、それぞれの四季(章)に素敵な詩1篇と短編が4〜5篇ずつまとめられています。そのほとんどは、聖書のたとえ話(主に新約聖書の福音書)を元にした話になっています。おとぎ話なのにその教訓がしみじみと感じました。

この本を読んでふと思ったことは、今“愛すること”を忘れてしまった人たちが増えてきていることです。 大切なことは何か?そのためには何をしなければならないのか?物質的な欲求は本当に人を幸せにするのか?当たり前と思われていることが、実は難しいこと。悲しいことに、それが今では忘れてしまっていること。
 この本は“大人のためのファンタジー”というふれこみですが、“大人”というより先ほどあげました“愛すること”を忘れてしまった人たちや、これから理解する人たちへのメッセイジだと思います。忘れてしまった“気持ち”を思い出させてくれるお勧めの本です。

お勧めの話を各章からあげますと、以下の通りです。

参考文献
「風の交響楽」
光原百合 作
藤沢清治 挿絵
出版社 女子パウロ会

2004/05/14  黄伊魔


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